西三河支部法の日記念行事 紀藤正樹弁護士来たる
   〜あなたもこんな手口で狙われています!〜

 
西三河支部会員
永 谷 和 之

 毎年恒例となりました西三河支部の法の日記念行事ですが、岡崎以外の地域にも広く弁護士会の活動を知ってもらうため、昨年の幸田町に引き続き、今年は豊田市で講演会を開催しました。
 今年は、テレビ等でご活躍の紀藤正樹弁護士をお招きして、「悪質商法にご用心〜あなたもこんな手口で狙われています!」と題した講演をしていただきました。多分、多くの方がブラウン管を通して紀藤先生のお顔をご覧になっているかと思いますが、先生はリンク総合法律事務所を開設され、かなり充実したホームページ(http://homepage1.nifty.com/kito/)も公開されていますので、関心のある方は是非そちらもご覧下さい。
 講演は、消費者問題に長年関わってこられた先生の経験に基づき、ときおり宗教問題や子供の問題なども交えながら、具体的で大変分かりやすいものでした。
 また、実例の紹介にとどまらず、消費者被害が発生する背景についても分析しながら、「生兵法は怪我のもと、中途半端に知識を持っているのは危ない。消費生活センター等を積極的に活用した方が良い。」、「悪徳商法の手口を見ると、人々がどのような欲望を持っているかが分かる。過程を省略して、直ぐに金持ちになりたい、直ぐにきれいになりたいという欲望が消費者被害の背景にある。」、「物の値段を知らないということが騙される原因である。田舎で和牛商法にひっかかる人はいなかった。」、「家族に内緒で金を借りに来る客はサラ金では上客とされる。家族に秘密を持っている時点で弱みがある。家族全体で消費者問題について知らなければならない。」等の話がありました。
 その後、消費生活センターの相談員の皆さんとのパネルディスカッションを行い、相談員の方々から、日頃の相談業務の中で感じた疑問点ついて質問があり、紀藤先生に回答していただきました。
 具体的には、「高齢者や知的障害者が悪質商法の被害者になることが多いが、何とか救済できないか。」との質問に対し、「成年後見が考えられるが、意思能力が認められるケースでは、何度も打合せを行って、取消や解除の理由となりそうなファクターを10個位拾い出す。数多く主張することで、業者の方も解約に応じる。」、「裁判を使った不当請求があるがどのように対応したら良いか。」との質問に対し、「こうした不当請求に対して、東京では慰謝料請求の反訴を提起して対抗している。近日中に判決が出る予定であり、皆さん期待していて欲しい。」等との回答がありました。
 先生には実務に根ざした実践的な話をしていただき、市民の方だけでなく私たち弁護士も勉強になる素晴らしい講演であったと思います。