選出された2名の奨学生からのメッセージを御紹介しましょう。
(1)
日弁連枠:松本 淳(まつもと じゅん)さん(25)
埼玉県出身、金沢大学法科大学院合格
はじめまして、第一期奨学生の松本と申します。このような場では失礼かと存じますが、まずはこの場をお借りして会員の皆様にお礼を申し上げたいと思います。本奨学金は会員の皆様の寄付で成り立っています。その奨学金を頂いて金沢大学法科大学院で学べることに感謝、大きな使命感を胸に勉学に励みます。
私は小学生の頃から一生を賭してする仕事は、人の心に残る仕事でありたいと思ってきました。人が人生に迷った時に生きる指針を与えられる人でありたい、人が人生に躓いた時に立ち上がる力を与えられる人でありたい、それが法曹を目指す私の原点です。
私が初めてゼロ・ワン地域の存在を耳にしたとき、大きく胸が揺さぶられる思いがしました。都市部では専門分野を持った数多くの弁護士が活躍され、高度なリーガルサービスを提供できます。しかしその一方で弁護士が存在しない地域も全国に数多く存在します。そのような地域では、法による問題解決すらできない状況です。私は自分を本当に必要としてくれる地域で、依頼人と共に納得できる解決方法を探すような弁護活動をしたいと考えています。ゼロ・ワン地域で弁護活動をしたいという志を持つ方は、たくさんいらっしゃると思います。しかし見知らぬ土地に多くの不安を抱えて赴任するため、今一歩のところで踏みとどまってしまうというのが現実なのではないでしょうか。
本奨学金は私をはじめそのような方々に大きな一歩を踏み出すきっかけを与えるという、非常に意義のあるものだと思います。
簡単な挨拶で恐縮ですが、金沢大学法科大学院での勉学を通して、より一層精進を重ね、皆様のご意思に少しでも報いることができるよう邁進していく所存です。今後ともよろしくお願い申し上げます。
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(2)
中弁連枠:滝田 渉(たきた わたる)さん(28)
愛知県出身、南山大学法科大学院合格
はじめまして、この度、第1期奨学生に選出されました滝田渉と申します。みなさまのご尽力により法科大学院にて勉学に精進できることとなりました、本当にありがとうございます。
私は、市井の人間が快適に共存していくために用意されているルールである法が、識者による高尚な口調のみで語り合われるものではなく、人々の手の中に常にあり続けられることこそが法の本質なのではないかと考えています。その法の本質を実現する為に、名誉や金銭といった面に左右されることなく、一人の人間として事件の大小を問わず困難な状況にある人々と同じ視点に立って問題を解決していくような、「市井の中の法曹」・「町医者的な弁護士」を目指したいと思っています。今回の奨学金の設立趣旨というものは、こうした私の考える理想像に合致したものであると考え応募させていただきました。将来、弁護士として登録を許させれならば、カバン一つで東奔西走させていただく所存です。
私には他の優秀な法科大学院生のような学歴も知識も賢さもありません。しかしながら、前述した法曹に対する信念や社会人としての経験、またアメリカンフットボールというスポーツを通じて得たガッツや行動力は他の誰にも負けないものであると自負しています。
この先どれほどの困難な道のりが待ち構えているかは想像することすらできませんが、持ち前の情熱とガッツで、みなさまのご期待に応えられるようがむしゃらにがんばりたいと思いますので、今後ともご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
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