平良弁護士 輪島公設事務所赴任


中弁連法律相談センター委員会委員長 安 井 信 久

1 ブロック会議
(1) 平成15年12月12、13両日にわたって第7回法律相談事業及び弁護士過疎対策に関する中部ブロック協議会が福井で開催された。福井・金沢・富山・名古屋・三重・岐阜の6会単位会会長等が集合して、日弁連との間で法律相談体制の拡充等につき討議された(・弁護士0〜1地区の現況、・協力事務所体制の整備、・高岡支部センター開設の課題、・政府主導にかかるリーガルサービスセンターと法律相談センターとの役割分担、・過疎地解消3年計画に基づくひまわり基金の延長・増額問題)。
(2) 当ブロックでは、6会管轄エリア内で支部にセンターの設置されていない地区が高岡支部のみとなっている現状を踏まえ、その問題点について日弁連側から質問が相次いだ。富山県弁護士会の会長からは、高岡支部会員の負担増の問題と、市民のアクセスは決して不十分ではなく、無料相談を含めて十分に対応されているというものであった。毎回語られるこの種の議論は、絶えず弁護士の側からみた立論に終始している。30分足らずの距離でアクセスの不便さはないとされる。すぐ身近にいつでも相談できる法律相談所が存在するということが、市民にとって如何に貴重なものであるか、その敷居の高さを含めた視点をみることができない。
(3) この日のブロック会議では、リーガルサービスセンターの国策をどのように捉えたらよいかといった問題も提起されたが、扶助の拡充、公的弁護の実現、アクセスの解消といった国の責務でなされる今回の施策を否定する意見は少なく、その人員の手配に議論が終始した。国費によって運営されることを国の責務と宣言する弁護士が、その職務を自らの手によって実現することも弁護士の責務といってよいであろう。

2 過疎地型公設事務所
(1) 1日目の会議が終了した午後5時から各公設事務所支援委員会が開かれた(輪島・熊野各公設事務所に赴任予定の候補弁護士が現れた)。輪島ひまわり基金公設事務所には、当会の平良卓也弁護士が、若松恭子弁護士とともに来年4月から赴任したいというものである。また、熊野ひまわり基金公設事務所には、二弁の池田慶子弁護士が、前任者の跡を継いで赴任したいということである。一度に盆と正月が来た気分で、拍手喝采のうちに承認された。
(2) 更にハプニングは続き、一日目最後の懇親会で、平良・池田両弁護士の激励とともに、彼らの抱負・動機などを酒の肴に楽しく盛り上がっていた席上、なんと当ブロック内最後の小浜公設事務所にも修習生候補者が出現したのである。当ブロック内では前記3カ所の0〜1地域解消策として「公設事務所体制」を選択していたが、熊野以後なかなか候補者が現れず残念に思っていたところである。突然一気に充足する形で候補者が出揃い懇親の席上はやんやの喝采となった。

3 平良弁護士の赴任
 平良弁護士が、自分の人生をどのように針路づけているのか知る由もないが、翌13日、福井での午前中の会議を終え、一路金沢に向かった。賢夫人若松弁護士とおしどり夫婦が、厳寒の地へ旅立つ。記者会見は、清々しく映った。席上、平良弁護士の語りは輝いていた。