裁判所が変わる!?


会員 岩 崎 光 記

 司法制度改革審議会は司法改革について幾つか重要な提案をした。その1つが司法への市民参加である。具体的に3つの場面で表れる。1つは裁判員制度の創設、2つは裁判所運営への市民参加、3つは検察審査会の改善である。ここでは、2つ目の裁判所運営への市民参加を見てみる。

 裁判所運営への市民参加、その第1は下級裁判所裁判官指名諮問委員会とその下部機関の地域委員会である。裁判官の人事、それは秘密のベールに包まれていた、と言っても過言ではない。その不透明さが、どれだけ裁判官を萎縮させてきただろうか。裁判官指名諮問委員会が誕生したが、画期的なのは、市民委員の数が法曹委員の数を上回ることである。裁判官の人事はガラス張りのもと、誰から見ても客観的・公正になされなければならない。そのためには良識のある市民の参加と幅広い情報の収集が必要である。裁判官指名諮問委員会の成功は憲法が保障する裁判官の独立を支える大きな力となるだろう。

 第2は、地方裁判所委員会の新設、家庭裁判所委員会の衣替えである。これも市民委員が中心となる。裁判所は、ユーザーにとって使い勝手のよいものでなければならない。ユーザーとは市民である。市民の声を聞かずして、より良い裁判所が育つはずがない。

 平成15年は、裁判官指名諮問委員会、地・家裁委員会が誕生した記念すべき年である。健全な発展を期待しよう。