《参加した学生が授業に集中していたこと》
今回、ロイヤリング実験授業を受講したことは、私にとってとても良い刺激になった。実験授業には、各大学から、本当に参加したい人だけが参加している。普通の授業には、やる気の無い人も大勢いる。そういう人たちが授業の雰囲気を壊してしまうこともある。しかし実験授業は全く違った。皆が授業に集中していた。
参加者に大学院生・4年生が多かったのが関係しているのか、法科大学院の情報についても多くを得ることができたし、また他にも多くのものを得た。授業の度に先輩方の力と自分の力との差を実感した。グループで課題を作成する時は、先輩方につい頼ってしまうことも多かったが、発言する機会があるときには、積極的に発言するよう努力した。
《受講した動機・弁護士に対するイメージ》
実験授業を受講したのは、ロースクールを志望しているからである。姿の見えない目標を持つのは難しいが、実験授業を受けたことによって、ロースクールの大体のイメージがつかめた。
弁護士に対するイメージも随分変わった。
以前は、弁護士といえば訴訟、いつも裁判をしているというイメージばかりがあったが、弁護士の業務は訴訟ばかりではなく、訴訟はあくまでも依頼者の問題を解決するための一手段にすぎないということを実感した。また、依頼者との間に信頼関係を築くことがとても大切だと思った。弁護士といえば、世間から見れば医者と並ぶ高学歴・高収入の仕事で、なんだか楽してお金持ちになれそうなイメージであるが、実験授業の講師の方々を間近で見たり、またロイヤリングで弁護士業務の片鱗を覗いた後ではそんな考えは捨てざるをえなくなった。私は、実験授業の課題のための資料を読んだり、探してきたり、事例に関係ありそうな条文をチェックするだけで、精根尽き果てていた。あのような作業プラスαを日常的に業務としてこなしている弁護士の先生方の毎日は私には想像しきれないところがある。
《ロースクールの教師に対する希望》
ロースクールの先生になられる方々にぜひお願いしたいことがある。一つは、ロールプレイなど、実技を積極に取り入れていただきたい。なぜならば、文系の授業は理系の授業と比べて実技が少ない。どうしても、理論だけの授業に陥りやすい。実験授業でも、実技の授業の回は、いつにもまして盛り上がっていた。学生にとっては、身をもって体験する良い機会である。模擬裁判や模擬交渉などの実技は、医学部における解剖実習と同じようなもので、それをやらなければ、法曹になるに十分なだけの知識や経験を習得したとは思えないし、学生にとっては非常に良い刺激になる。
次に、学生が積極的に発言できるような授業形態を作っていただきたい。先生の講義をきくだけの授業は、学部の授業で散々経験済みである。せっかくロースクールの授業を受けるのならば、学生が授業に参加でき、学生が授業の主体となるような刺激的な授業を受けたい。実験授業では、発言する機会を十分に与えてもらうことができ、いつもいろんな人の考えを知ることができたのでとてもプラスになったように思う。
先生方には、素晴らしいロースクールを目指して頑張っていただきたいと思っている。また、私自身も一生懸命勉強できるように努力してゆきたいと思う。