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呉服などの「次々販売」が社会的な問題になっているようですが,どのようなもので,何が問題となっているのですか。
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「次々販売」とは,その人の収入状態から見たら,到底支払ができないような高額のローンを組ませるなどして次々と商品を売りつけ,結局,多額の支払いで大方の財産を失ったり,ローンの支払いができなくなって,生活を破綻させるという商法です。典型的には,専業主婦などで全く定期的な収入がない人,年金生活者などの高齢者・低所得の人たちに,次々と高額な商品を販売し,手持ちの現金のすべてをつぎ込ませたり,自分の収入では支払っていけないくらいのクレジットを組ませて,売りつけるような事例があります。
いくら商取引とはいえ,業者が,商品に対する知識や交渉力の劣る消費者に対し,執拗に勧誘するなどして次から次へと押付販売をし,購入者の生活を破綻に追い込む売り方は明らかに違法であり,購入者は「次々販売」による“被害者”として救済される必要があります。
そこで,このような被害に対しては,クーリング・オフや消費者契約法の取消しで対処する方法があります。また、それができない場合でも、顧客の支払能力,生活状況(商品の必要性の程度等),その他の事情に照らして過剰な点数,金額の商品を売り付けたこと自体を,公序良俗違反あるいは不法行為であるとして,既払い金の返還を求め,これによって解決したケースも出ております。
また,こういった被害が起きるのは,呉服会社だけでなく,クレジット会社にも大きな責任があります。そのローンがその人の収入なら生活を破綻させたり,老後の生活資金や夫の退職金をつぎ込むことなく,無理なく支払える程度のものなのかどうか,クレジット会社が本当にきちんと審査をした上でローンを通していれば,このような被害は起きていないはずだからです。
したがって,クレジット会社に対しても,未払いクレジット代金の支払義務の不存在を主張して,支払を拒んでいくことが考えられます。
このような呉服等の「次々販売」は,“買ってしまったから仕方がない”ではなく,“消費者被害”であるという認識を持って,弁護士に相談してみてください。なお,こういった問題に対しては,愛知県弁護士会消費者問題対策特別委員会有志で結成された,「呉服次々販売被害弁護団」等が,被害回復等の活動に取り組んでいます。
(平成19年度掲載)
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