H23.4月掲載  愛知県弁護士会中村正典新会長に聞く

法的サービスを「いつでも、どこでも、誰でも」



*平成23年度の会長としての基本的な考え方をお聞かせ下さい。
弁護士の使命は、基本的人権の擁護と社会正義の実現です。そのために法的サービスが「いつでも、どこでも、誰でも」受けられる体制を確保しなければならないと考えています。
*具体的には
弁護士・弁護士会が市民にとって頼りになる存在であること、そのための司法アクセスを容易にすることが必要不可欠だと思います。
*頼りになる存在とはどういう意味でしょうか。
愛知県には現在、弁護士が約1450名います。もちろん、個々の弁護士も日々研鑽を積んでいます。しかし、社会情勢の変化に伴い新しい法律が次々できています。一人一人の自助努力では大変な部分を、弁護士会として研修会を催すなどして、弁護士のレベルアップを目指したいと考えます。この研修を一層充実させて、弁護士が市民から頼りにされる存在であり続けられるようにしたいと思います。
*司法アクセスを容易にする方法は何をお考えですか。
愛知県弁護士会では、名古屋法律相談センターを初めとして既に県下11ヶ所に法律相談センターを設けています。また、中小企業の方々に限りますが、「ひまわりほっとダイヤル」という電話(0570-001-240)による無料相談も受け付けています。さらに、愛知県商工会連合会と連携した「地域弁護士制度」もあります。この相談も初回は無料です。
*それだけの制度があるのに、さらにアクセスを容易にするのですか。
私たちの広報が不足しているのか、窓口をご存じなかったり、相談することに不安を感じる方が少なからずおられるようです。本紙に掲載されているホームページを初めとする広報活動を確実に行って、こうした壁を取り払う必要があります。
*昨年よく聞いた「司法修習生の給費制」問題はいかがでしょうか。
司法修習生に給料を支払う制度は、使命をまっとうする裁判官・検察官・弁護士を育て、ひいては市民の利益になる司法制度を維持するために是非とも必要な制度です。私たちが行っているボランティア的な世の中の役に立つ活動をご理解いただき、給費制の維持にご協力をいただければと考えます。
*最後に三月の東日本大震災について弁護士会の取組みを教えてください。
愛知県弁護士会では、愛知県に避難された被災者に対して、4月18日無料電話法律相談を始め、今後無料面談相談や被災地へ出向いての法律相談も行います。弁護士会として長期的・継続的な被災者の方への支援が責務であると考えております。