中部経済新聞2009年11月掲載
聞之助ダイアリー「中部弁護士会連合会の総会に運営で参加・・・」
見えないところに苦労がある!

どんな業界にも業界団体と呼ばれる組織があり、年に一度、総会などを開いているようである。

弁護士業界も然りで、愛知県弁護士会、中部弁護士会連合会、日本弁護士連合会などの各団体において、年に一度、定期総会(定期大会)が開催される。通例の事業報告や決算報告を承認するだけの形式的な総会も存在しない訳ではない。

それでも団体の一員だし、懇親会の料理も楽しみだから、可能な限り参加するようにしてきた。開催地如何によって、中部の総会なら中部六県、日弁連なら全国各地の名物料理を楽しめたからである。参加した感想は、形式的な総会なら運営も楽だろうなぁ、といった程度であった。

ところが、である。何の因果か、今年は中部の総会を運営するお役目を引き受けることとなってしまった。

引き受けた当初は気楽に、従前のやり方を踏襲して運営すればいいから、大したことはないと考えていた。

しかし、すぐに引き受けたことを後悔した。まず、予算の枠である。昨年来の不景気に加え、弁護士の数も増加しているから、各弁護士の懐も裕福ではない。必然的に参加費の値上げは望めない。ところが会場となるホテルの部屋代は以前より高くなっていた。どこかを削らなければ赤字となってしまう。かと言って、参加者が楽しみにしている懇親会の料理をランクダウンするわけにもいかないし・・。

また、永年勤続表彰者に渡す記念品を手配せねばならないが、従前と同じ記念品では有難味がない、との声が上がり、再考せよとの指令が下された。愛知県で開催される総会に相応しい伝統工芸品を調査し、再度記念品を検討し直し、発注する作業となった。

さらには、通常作業についても、分刻みのスケジュールの作成、受付や会場整理・来賓接遇などの人員の手配が必要であった。

運営チームの仲間たちに多大な迷惑を掛けながら何とか大過なく総会を終えることができたものの、これまで参加しながら見えていなかった運営サイドの苦労を思い知らされた。

「他人のすることを批判するのは、その人物の三分の一以下の能力でできる」と言われている。参加した総会で「進行の手際が悪い」「懇親会の料理がうまくない」などと不満を述べていた自分は、正にこれであった。

社内で総務と営業がいがみ合う構図を見たことがあるが、互いに傍目より大変だと認識できれば、問題解決できないかなぁ。