聞之助ダイアリー

西尾張地域に法的サービスを行き渡らせる・・・


愛知県弁護士会には,西三河支部,東三河支部,一宮支部,半田支部の四支部があり,それぞれの支部が該当地域で法的サービスを提供しているのですが,私は,このうちの一宮支部に所属する弁護士です。


一宮支部は,西は稲沢市から東は犬山市まで,愛知県の北西地域(いわゆる西尾張地域)を広くカバーしており,管内の人口は約七八万人です。これに対して,一宮支部に所属する弁護士は二九名で(平成二一年八月三日現在),一宮支部の管内は,弁護士過疎地域とまではいきませんが,まだまだ弁護士が少ない地域です。

そのため,管内の自治体などが主催し,一宮支部の弁護士が当番制で担当している無料法律相談会などは,頻繁に担当することになります。市民を対象にした無料法律相談会では,様々な分野についての相談が寄せられますので,支部の弁護士は,多種多様な問題に接することになり,一般的に,特定の分野に特化することはなく,町医者ならぬ「町弁」として,様々な事件に取り組むことになります。

また,刑事事件の大半を占める国選弁護事件についても,一宮支部の管内で発生した事件は,一宮支部の弁護士が重点的に担当することになります。残念なことですが,それなりの人口を抱える一宮支部の管内では,毎年,それなりの件数の刑事事件が発生しています。その結果,国選弁護事件の件数も多くなり,一宮支部の弁護士は,多くの国選弁護事件を担当することになります。国選弁護事件の依頼者のほとんどは,拘置所や警察署の留置施設に身体を拘束されていますから,国選弁護事件を担当した場合には,彼らと面会をするために,各地の拘置所や警察署に出向かなくてはなりません。それこそ,西は稲沢警察署から東は犬山警察署まで,警察署のはしごをすることも珍しくはありません。一宮支部の弁護士は,まさに,支部の管内を走り回ることになるのです。

このように,日々の業務に追われる毎日なのですが,一宮支部に所属する弁護士も増えつつあります。これからは,一宮支部の活動をますます充実させ,地域の皆さんに,より良い法的サービスを提供していくことができるはずです。私たちは,「愛知の弁護士は,名古屋でやっとる弁護士だけじゃないでよ!西尾張に法的サービスを行き渡らせるのは自分たちだがね!」という思いを胸に,日々,支部の管内を駆け回っています。