入谷新会長インタビュー



司法改革の激動期に会長になろうと思われた理由は。
私自身、多くの弁護士のお世話になりながら弁護士を三三年してきました。司法改革の理念である「市民のための司法」を推し進め、弁護士会のために少しでも尽力できればと考えました。

本年の重要課題は何でしょう。
どれも重要ですが、強いて挙げれば、新しい法曹養成制度、裁判員制度実施に向けた対応があります。

まず新しい法曹養成制度については、どのようにお考えですか。
法科大学院で学んで司法試験に合格する人がどんどん弁護士になっています。ただ、法科大学院が司法試験予備校的な授業をしているケースがあります。また、司法修習は、期間が短縮されてオン・ザ・ジョブ・トレーニングの機会が減っています。弁護士の質の低下は市民へ提供する法的サービスの質の低下に繋がりますので、そうならないように法曹養成のための充実したプログラムを法科大学院の教育を視野に入れて、司法研修所等と協議していく必要があると考えています。

裁判員制度については平成二一年五月までに開始されるのでしたね。
そうです。そのため、本年度中に課題を解決する必要があります。

具体的には。
一般市民にとって、過度の負担とならず、かつ理解できる審理である必要があります。裁判の仕組みや裁判員の役割等を分かりやすく解説する広報活動をしたいと考えています。また、密室での捜査によりえん罪が起きていることから、捜査過程を全面的にビデオ録画するなど可視化を求めていきたいです。もちろん、内部的にも裁判員裁判に向けた弁護士への研修を充実させます。

中小企業者向けにはどのような取組みをしていますか
昨年8月から中部経済産業局の協力を得て、愛知県商工会連合会の愛知・西春日井支部において、地域弁護士制度(経営指導員を窓口に、法律相談、講演会、勉強会を行う)を試行しましたがこれを一二支部まで拡大していきたいと思います。また、事業承継・事業再生の問題にも取り組んでいます。

最後に、読者に一言お願いします。
弁護士に課せられた使命を自覚し、頼もしい権利の護り手・信頼しうる正義の担い手として市民の信頼と期待に応えられる弁護士・弁護士会を目指しています。見守ってください。