地域弁護士制度とは

商工会会員の身近な顧問弁護士を目指す




一 はじめに

愛知県弁護士会では、中部経済産業局の全面的な支援を受け、愛知県商工会連合会と連携して「地域弁護士」制度を創設することになりました。

これまで、大企業と異なり,中小企業、特に小規模事業者の皆様には、弁護士は縁遠い存在であって、円滑に法的サービスを受けることが困難な状況にありました。そこで、本制度により、日常的に商工会の会員に経営指導を行っている経営指導員が、中小企業の皆様と弁護士との間を仲立ちします。これにより、商工会の会員である中小企業の皆様は、弁護士から迅速かつ適切な法律相談等の法的サービスを受けられるようになります。

本制度により愛知県弁護士会としても、中小企業の皆様の潜在的な司法需要を掘り起こすことが可能になると期待していますし、愛知県商工会連合会としても、会員に魅力あるサービスを提供することにより、商工会の組織の強化が図れると期待しています。

二 制度の概要
1 組織体制

愛知県商工会連合会傘下に六六の商工会があり、地域ごとに一二支部に分かれていますが、その支部ごとに愛知県弁護士会所属のベテラン・若手による複数の弁護士を「地域弁護士」として配置します。

地域弁護士は、各支部の会員等(商工会の会員、従業員、家族等)に対して恒常的に法的サービスを提供して、各支部の顧問弁護士的役割を果たします。


2 具体的業務
@ 地域弁護士が、スピーディに個々の会員等の法律相談に応じます。
  1. 随時受付
    これまで六六商工会のうち、何らかの法律相談を実施していたのは約三分の一に過ぎず、その方法も定例(月または半期等に一、二回)が大半でした。
    これからは、法律相談を随時受け付けます。法律問題が発生した場合に、直ちに相談できるよう、土日祭日を除き、毎日相談できる体制にしました。

  2. 相談申込手続
    経営指導員は、会員等からの法律相談を、電話等により口頭で受け付けます。その後、その相談内容の要旨を所定の相談用紙に記入して、受付窓口を担当する弁護士(一支部につき二名)にFAX送信して申し込みます。

  3. 担当弁護士
    受付窓口を担当する弁護士は、速やかに、複数の地域弁護士の中から担当する弁護士を決めます。

  4. 当日中の回答
    相談担当弁護士は、申込当日中に(但し、当日午後三時以降の相談申込の場合には翌日午前中までに)、まず、電話またはFAXにて経営指導員に回答します。
    経営指導員は、その回答を会員等に、電話等により伝えます。

  5. 出張相談
    その回答内容では満足できない場合、会員等は、相談担当弁護士の直接面談を希望することができます。この場合、担当弁護士は、原則として,三日以内に地元商工会や企業等に出向いて会員等の法律相談に応じます。

  6. 相談料
    相談料は、一回目(六〇分)は無料で、二回目以降が有料(三〇分、五二五〇円)となります。相談料は事件毎ですので、同一会員等が、ある事件で面談相談を受けていた場合でも、別の事件を相談する場合には、一回目はやはり無料となります。

  7. 個別事件の委任
    法律相談に止まらず、さらに進んで会員等が相談担当弁護士に個別事件の依頼をすることも可能です。

A その他、地域弁護士が、時々の法律問題等の関心あるテーマについて、
   経営指導員や個々の会員に対して、講演会や勉強会を企画し、実施します。
三 制度の実施
  1. 平成一九年八月八日より、愛知県商工会連合会の一二支部のうち次の二支部で試行を開始しました。
    1. 愛知支部
      (鳴海,有松,守山,豊明市,東郷町,日進市,長久手町,尾張旭市の八商工会)
    2. 西春日井支部
      (西枇杷島町,清洲町,春日町,西春町,師勝町,豊山町,新川町の七商工会)

  2. 他の一〇支部(五一商工会)についても、二支部の試行を見ながら、さらに  制度の改良と周知を図るとともに、法律相談担当弁護士の人員も確保して、平成二〇年度中に本施行する予定です。
     より利便性のある制度に改良した上で本施行したいと思いますので、右記二支部の会員の皆様の積極的なご利用を宜しくお願いします。
四 制度の詳細等
制度の詳細等につきましては、愛知県弁護士会(.052-203-1651)、愛知県商工会連合会(.052-220-5780)、中部経済産業局中小企業課(.052-951-2748)、または最寄りの商工会にお問い合わせいただくか、上記機関の各ホームページをご覧下さい。


地域弁護士制度(試行)の流れ

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