アイズ運営特別委員会


「高齢になって判断能力や身体能力が衰えてきても若い頃と同じように自分らしく生きたい。」「障がいがあっても障がいのない人と同じように生活したい。」これはあたり前の願いです。でも現実の社会では、なかなかそのようにはいきません。認知症のある高齢の姉妹が被害にあったリフォーム詐欺事件のように、高齢者や障がいのある人が詐欺の被害を受けたり、悪徳商法の被害者になる事件はあとを断ちません。また財産被害だけではなく、日常生活を送る上でもさまざまな困難にぶつかります。

そのような状況にある高齢者、障がいのある人の支援を目的として愛知県弁護士会に設置されたのが『高齢者・障害者総合支援センター(アイズ)』です。「アイズ」という愛称は「愛」や「見守る目」からつけられました。人間への深い愛情をもって見守りたいというのが設立の理念で、「アイズ」ではこの理念のもとで法律相談、財産管理、介護支援、成年後見などの活動を行っています。また、高齢者や障がいのある人を支援している福祉関係者を法的な面からサポートするために事業者セミナーやファックス相談も実施しています。

高齢者や障がいのある人に生ずる問題はさまざまです。弁護士は法律家ですから、弁護士だけで解決できる問題は限られています。そのため、福祉関係者の方との連携は必要不可欠で「アイズ」では福祉専門職と定期的に勉強会を開いてネットワークの輪を広げるための活動をしています。ネットワークの中で、高齢者、障がいのある人を直接支援し、あるいは他の専門職の活動をサポートすることで間接的に支援することができればいいなと思っています。

アイズでは祝日を除く毎週火曜日と木曜日に名古屋法律相談センター(名駅3−22−8大東海ビル9階)で高齢者・障害者法律相談を実施しています。高齢者の方、障がいをお持ちの方に関わる問題で困っておられる方は是非ご利用下さい(予約制です。予約電話052ー565ー6110)。また、外出することのできない方のために出張相談も実施しています。詳しくは愛知県弁護士会のHPをご覧いただくか、愛知県弁護士会(アイズ専用電話052ー203ー2677)までお問い合わせ下さい。

弁護士がこの分野でできることは一部分にすぎないかもしれませんが、社会福祉基礎構造改革の流れの中で福祉サービスにも契約が導入され、今後ますます法的な問題が生じる場面は多くなっていくと思います。私たちはそのような社会の流れの中で高齢者や障がいのある人が、若い頃と同じように、あるいは障がいのない人と同じように生活するというあたり前のことが実現されるよう頑張っていきたいと思っています。