言わせてちょ 「愛国心を養うには?」
 

 海外で日の丸を見るとなんとなくホッとする。サッカーに興味はないが、ワールドカップでは自然に日本を応援している。日頃愛国心を感じることはないが、やはり私も日本人なのだと思う。

 先日安倍新政権が発足した。安倍氏は教育基本法を改正し愛国心を養うと公約している。しかし、愛国心なるものは、無理矢理に強制するものなのだろうか。

 私自身は昭和天皇を尊敬している。しかしそれは、単に陛下が「天皇」という地位にあったからではない。戦前は絶対的権力者であったにもかかわらず、戦後は全ての政治的権力を失った。にもかかわらず、かつての戦争に対する責任を感じておられ、新憲法に定められた日本国の象徴として、最もあるべき活動をされてきたと思うからである。しかし、私のこの思いを他人に押しつけようとは思わないし、私自身も他人から無理強いされたら、多分反発すると思う。日の丸についても、日本国の象徴だと思うから、目の前で日の丸が燃やされたら不愉快に感じるが、日の丸に対して敬礼せよと命じられたら、やはり反発するだろう。先日国歌斉唱に対して起立しなかった教職員の処分が違法とされたが、私はこの判決は当然だと思っている。

 国を愛する心を子供達に養っていくこと自体を否定するつもりはない。しかしながら、こうした人の心に関することは、無理強いするものではないと思う。愛国心を養う最も良い方策は、国家が国民のために機能していると国民に実感させることであり、日本国を誇るべき国と国民に感じさせることである。年金破綻で国民の信頼を裏切り、介護保険の改悪で老人が愛妻を殺す、そして政治家は大臣の椅子欲しさに勝ち組にすりより、お役人は裏金作りに精を出す、こんな国に対して、誰が愛国心を持つというのだろうか。