一宮支部だより


     
愛知県弁護士会一宮支部会員の会話です。


 今年四月に名古屋弁護士会から愛知県弁護士会に名称が変わったよね。名古屋だけでなく,愛知県全体の弁護士が所属する会だからなんだけど,一宮支部でも一宮市だけの支部だと誤解されていないかな。

 確かに岡崎支部は西三河支部に,豊橋支部は東三河支部に名称を変更したよね。

 西三河や東三河は裁判所の管轄地域(担当エリア)を表しているんだよね。一宮支部の担当エリアを一言で表すとどうなるんだろうか。

 尾張地域でしょ。だから,支部の名称は尾張支部になるんじゃないの。

 尾張と言ったら,名古屋や半田も尾張じゃない。エリアが広すぎるよ。少し絞って西尾張はどうかな。

 西尾張? 西尾市とまぎらわしいよ。それに犬山市はむしろ尾張の北だよ。

 じゃあ,北尾張は?

  北尾張ってあまり聞かない地名だよね。それに稲沢市は北尾張なの?

 う〜ん。じゃあ,愛知県北西支部か。何かぴったりこないなぁ。

 



  以上のように,担当エリアがわかりにくいのですが,愛知県弁護士会一宮支部は,名古屋地方裁判所一宮支部が管轄する愛知県北尾張地域(一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,扶桑町,大口町)に事務所を構える弁護士で構成されています。支部会員は,現在一二名(うち女性会員四名)です。

 一宮市内に事務所を構える弁護士だけでなく,犬山や岩倉に事務所のある弁護士も「一宮」支部所属ということになります。一宮市に名古屋地方裁判所一宮支部,名古屋家庭裁判所一宮支部と一宮簡易裁判所があり,犬山市に犬山簡易裁判所があります。

 一宮は他の支部と較べると,名古屋からの距離が比較的近く,名古屋駅からJRや名鉄で二〇分足らずで着きます。このため,一宮の裁判所では名古屋の弁護士をよく見掛けることにはなるのですが,それでも地元の弁護士に相談したいという市民は多いです。担当エリアの愛知県北西部の人口は約七五万人で,これは東三河地域の人口(約七六万人)に匹敵します。このため支部会員の多くは多忙を極めています。
 一般的なことを弁護士に相談してみたいという方は,愛知県や各市町村,社会福祉協議会などが定期的に行っている弁護士による無料法律相談を利用することができます。ただ,早い時期に予約でいっぱいになってしまうところも多いようです。

 弁護士を紹介して欲しいとか,個別の具体的な紛争について相談したいという方は,弁護士会が設置している一宮法律相談センターや尾北法律相談センターを利用することができます。一宮法律相談センター(一宮スポーツ文化センター三階)では毎週木曜日に,尾北法律相談センター(犬山商工会議所会館四階)では毎週水曜日に弁護士による有料法律相談(予約制)が実施されています。
予約はいずれも〇五八六(七二)八一九九です。また,一宮支部独自の事業として,随時法律相談という制度があります。これは,法律事務所と相談希望者を直接結びつけようというもので,弁護士会事務局が,相談者の都合と弁護士の日程を調整して相談日時を決め,各法律事務所で相談を実施します。いずれも愛知県弁護士会一宮支部で月曜から金曜までの午前一〇時から午後四時まで予約を受け付けています。これら随時法律相談や法律相談センターの有料法律相談が年間一二〇〇件程度あります。

 逮捕された被疑者のもとにかけつける当番弁護士も,平日は支部会員が担当しています。予め日ごとに第一順位から第三順位までの担当弁護士の名簿を決めていますが,第一順位の当番だけで月に二回程度まわってきます。管内には,一宮,稲沢,犬山,江南の四つの警察署があるので,弁護士はこれらの警察署を回る必要があります。年間二〇〇件程度の国選弁護もその大部分を支部会員で担っています。一宮支部は,現在,愛知県弁護士会の支部の中で唯一,独自の支部会館をもっていません。しかし,支部の活動を充実させ地域の皆さんの利便を良くするためには,支部会館の設置は不可欠です。そこで,一宮の裁判所の近くに,新たに一宮支部会館を設置するということで,現在,その準備が進められています。支部会館ができれば,支部の活動の拠点ができる上,現在,他で行っている有料法律相談を支部会館で行うなど,より地域に密着した活動ができると思います。また,そのためには支部の職員増員が必要ですし,支部の弁護士数も増えることが望まれます。