サマースクールって何?


      〜あなたも来年は参加しませんか?〜


 2004名古屋弁護士会サマースクールを7月26日(月)〜7月30日(金)の5日間にわたって開講し、中高生延べ330名の参加を得て、盛況となりました。
 以下は、設営にあたった弁護士A、Bの会話です。

 いやぁ、サマースクールが無事に終わってよかったね。

 そうですね。少し振り返ってみましょうか。
 まず、7月26日から28日までの3日間は、法廷傍聴と弁護士との懇談会でしたね。

 うん。多くの生徒さんが実際の裁判を見るのは初めてと言っていたね。

 はい。生徒の感想でも、
・迫力があった
・厳粛だった
・被告人が法廷に入って来るときに手錠をかけられ、腰縄で縛られているのを見て衝撃を受けた
などと記載されていて、法廷の雰囲気などは理解できたんじゃないかと思いますよ。

 その後の弁護士との懇談会で、裁判の流れを説明したから理解が深まっているといいがなぁ。

 7月29日は、3つの講座を開きましたね。

 うん。「甘いわなにご用心・パート2」「法曹と語る」「憲法ってなんだ!」だね。

 「法曹と語る」には、名古屋地方裁判所や名古屋地方検察庁のご協力で、若手の裁判官や検察官にも出席してもらえましたしね。

 そうだね。中高生から質問が出るかと心配していたんだけど、
・司法試験に合格するにはどのくらい勉強すればいいのですか?
・どうして裁判官・検察官・弁護士になろうとおもったのですか?
・毎日どんな仕事をしているのですか?
・女性の裁判官・検察官・弁護士はたくさんいますか?
など、たくさんの質問があったね。

 中には講座終了後に真剣に進路相談をされた生徒もいたみたいですよ。裁判官、検察官も中高生の熱心さと意欲に感激していました。

 消費者講座「甘いわなにご用心・パート2」では、セールスマン・セールスウーマンに扮した弁護士が、巧みでしつこいセールストークで参加した中高生を勧誘し、契約に持ち込むという実体験コーナーが大人気だったね。

 そうですね。憲法講座「憲法ってなんだ!」では、中1・中2のグループは、教室に模擬国会を作って、憲法9条の改正賛成派と反対派に分かれて議論をたたかわせましたが、参加者の中から、予想外の第3の修正案が発案されました。

 へぇ。それで、どうなったの。

 その修正案が参加者の過半数の賛同を得たんですよ。若い世代のフレキシブルさと意識の高さが如何なく発揮されて、うれしかったですね。
 中3以上のグループでは、憲法九条に対する考え方の異なる3つの政党にわかれ、参加者にそれぞれの政党員として熱弁をふるってもらいました。あっという間に1時間半が経ち、こちらも、若い世代の意識の高さと積極的発言に大感激しました。

 そして、7月30日は1日かけて「刑事模擬裁判〜ナポレオン殺人事件」をやったね。実は、台風10号が東海地方を直撃するのでは、との予測もあったので、前日は仕事が手につかず天気予報ばかり見てたよ。天は弁護士会を見放さず、ってところかな(笑)。

 この日にために若手弁護士2名が書き下ろしたオリジナル作品でしたからね。被告人・証人・裁判官・検察官・弁護人を演じるのも弁護士会の誇る名(迷?)俳優ばかり。今年は、物証もバッチリ準備しましたから、有罪は確実と検察官は意気込んでたのですが・・・。

 うん。午後からの15〜16人ずつに分かれた6つのグループ評議では、グループ内に一定数の有罪派を獲得したものの、やはり「疑わしきは被告人の利益に」との無罪推定の原則を理由に、全グループが多数決で無罪の結果となったね。

 ただ、全員での評議では、明らかに無罪とする人より、無罪推定の原則を理由に無罪とする人が倍近くいましたから、本当の裁判だったら有罪かもしれないですね。

 そうだね(苦笑)。生徒さんの感想では、
・本当の裁判を見ているような迫力があった
・劇も笑いなしの本格派で、見ていて学ぶべきことが多かった
・有罪派で少数意見だったけど積極的に発言できた。自分からこんなに人と異なる意見をいっぱい言うことができたのは初めてでうれしかった
・他の人の意見でも「へぇ〜」と思うところもあり、勉強になった
など、弁護士の演技とグループ評議の充実ぶりをうかがわせる感想が多かったね。

 そうですね。あの感想を見て、4月初めから準備に取り組んだ甲斐があったと思いました。

 「来年も必ず来ます」という生徒さんも多かったから、2005サマースクールも頑張らないとな。

 はい。来年もたくさんの中高生に会えることを楽しみに、さらにバージョンアップした新たな企画作りに取り掛かります。