1 弁護士でないのに商品先物取引被害の相談に乗り報酬を得たのは弁護士法違反にあたるなどとして、損害賠償請求等を認めた控訴審判決(東京高判平成28年8月31日判決)

 商品先物取引(以下「別件取引」という。)により差損を被った控訴人が、先物取引被害の無料相談等を宣伝する被控訴人会社の従業員(被控訴人)において、別件取引に係る損害賠償請求事件を委任する弁護士を控訴人に紹介し、また、同弁護士との委任契約とは別に控訴人と被控訴人会社との間で商品先物取引(国内)調査・分析依頼契約を締結させ、控訴人に金員を出捐させたことは、弁護士法に違反し、不法行為を構成するなどとし、損害賠償を求めた事案である。

 本判決は、被控訴人会社の従業員である被控訴人は、控訴人からの電話相談に係る別件取引の被害が、交渉において解決しなければならない法的紛議が生ずることがほぼ不可避であることを十分認識した上、弁護士でもないのに、その被害相談に応じた上、弁護士との面談予約を取り付け、法律相談に同席し内容にも随時介入するなどし、また、控訴人が別件取引に係る損害賠償請求事件につき、同弁護士との委任契約が締結されたことを知りながら、本来であれば、同弁護士が上記委任契約に基づき行うべき法律事務に含まれる手仕舞いの指示、建玉分析表の作成等を被控訴人会社が担当する必要があると告げて、商品先物取引(国内)調査・分析依頼契約を締結させ、相談料、分析費用等の名目で控訴人から金員を取得したなどの事実を認定した。その上で、以上の行為は、弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)の規定の趣旨を潜脱しようとするものであって、不法行為に該当すると判示し、調査分析は法律事務とは言い難いなどとして請求を棄却した第1審判決を取り消し、控訴人の請求を認めたものである。

2 日本郵便の転居先情報の回答拒絶について、弁護士会の損害賠償請求を認めた高裁判決を破棄し、報告義務の確認請求について高裁に差し戻した判決(最高裁判所平成28年10月18日判決)

 起業家育成をうたいつつ、実際は自社の訪問販売員としての勧誘方法を教えていたとして、福岡市のセミナー企画会社「primo」の実質的経営者が、特定商取引法違反(事実の不告知など)の疑いで逮捕されました。同社は、福岡県を中心に全国の約300人と契約し、計約2億1600万円の受講料を不正に集めていたとみられ、実際は自社の訪問販売の方法を教えるつもりであるにもかかわらず、起業のスキルを教えるなどと事実と異なる勧誘をし、さらに「クーリングオフはできない」と虚偽の説明を行ったとされています。なお、同様の手口で勧誘を受けた予備校生らが、計約730万円の損害賠償請求を求めて同社を訴えた裁判において、福岡地裁は、平成28年10月30日、社会経験の乏しい若者に組織ぐるみで詐欺行為に及んだもので、執拗に勧誘して誤信させ、内容に見合わない高額の受講料を支払わせたとして、請求全額を認める判決を言い渡しました。

 上記と類似の手口による勧誘が、愛知県内でも他の団体により行われているとの情報がありますので(未摘発)、今後の動静に注意を要します。

3 情報提供―いわゆる「ぼったくり」の防止に関する条例(案)の概要に対するパブリック・コメントについて

 愛知県警察において、いわゆる「ぼったくり」を防止するための条例の制定にあたり募集されたパブリック・コメントの概要とこれに対する愛知県警察の考え方が、同ウェブサイト上に公表されました。県の条例案では、乱暴な言動を交えた不当な料金の取立や客引きを規制する外、店が入るビルのオーナーに対しても、賃貸借契約時に条例の遵守を約束させることなどが予定されていますが、意見のほとんどが条例制定に賛成であったとのことです。

 【判決文は愛知県警察ウェブページに掲載】