会報「SOPHIA」 平成22年2月号より
できた!

生活保護申請同行

会員 小田 直子
1 一宮の相談会
 1月31日(日)、一宮スポーツ文化センターで行われた「反貧困・駆け込み相談会in一宮」に参加しました。そこに相談に来られたのがAさんでした。
2 Aさん
 Aさんは、60歳男性、失業し、求職活動はしているが仕事が見つからず、失業手当が今月で終了してしまうので収入がなくなる、年金も受給資格を満たさない、右耳が聞こえないが病院にもかかれない、生活保護の窓口に行ったこともあるが、「働けるでしょう」と言われて申請させてもらえなかった・・と肩を落としていました。Aさんには申請の同行が必要!と、翌日、申請に行くことになりました。
3 はじめての同行!
 2月1日(月)、はじめての生活保護申請の同行です。この日は、私のほかにも新62期の弁護士数名が同行デビューをしました。
 午前9時、一宮市役所の福祉課に、Aさんたち相談者、弁護士、司法書士や市議会議員などが集合しました。
4 いざ申請?
 いざ申請!となったときに、市役所の職員から、毎月1日は生活保護の受給日で窓口は混雑しており、今日は申請は受け付けられない、と言われてしまいましたが、何とかAさんも午前11時から面接ができることになりました。
 Aさんは、面接までの待ち時間に、親の介護で忙しく自分のことをあまり考えてこなかったとおっしゃって、私のためにみなさんに迷惑かけてすみません、と謝ってばかりいました。Aさんは、親思いのやさしい方だと感じました。
5 やっと面接
 午前11時。やっと面接です。
 私は、面接官に名刺を渡し、Aさんに予め書いてもらっていた申請書を提出しました。面接官は淡々と、Aさんにこれまでの生活状況や勤務先、収入、資産、健康状態、家族などを細かく時間をかけて聞いたあと、申請を受け付けました。
 その後、Aさんは、面接官の用意した同意書などの書類に記入をしました。面接官からAさんに、耳の治療をしたら仕事を探して働かないといけないということや、生活保護の制度についての一通りの説明がありました。
6 思ったこと
 生活保護の申請はいわゆる水際作戦などと言われていますが、弁護士がついていくと(たとえ新人弁護士でも・・)窓口の対応が明らかに変わるのだそうです。今回の申請も、私にも難しくはありませんでした。他の新62期の弁護士が同行した方も全員申請できたそうです。
 Aさんにとっては、一時的に生活保護を受けることが生きるためにどうしても必要なことでしたので、人の役に立っていると感じることができた一日でした。
7 最後に・・
 Aさんに、法テラスの書類に記入してもらい申請したところ、法テラスから、同行の費用の援助決定ももらえました。