中部経済新聞2016年4月掲載
石原真二新会長インタビュー

● 新会長としての抱負をお聞かせ下さい。

―― 市民や企業の皆様に弁護士がどのようにお役にたてるのか、今一度、弁護士会として見つめ直したいと考えています。その上で、弁護士の提供するサービスの内容、他士業とのサービス内容の相違、優位性、費用等を正しく市民の皆様に認知して頂き、様々なニーズに弁護士が適切に応えられるような体制を整えていくことを目指しています。

● 具体的には?

・ 広報活動の充実

―― 弁護士業務の広告的な広報のみならず、弁護士の地道な人権擁護活動等の公共的、公益的な活動についても知って頂けるよう様々な手段で広報活動を充実させていきます。弁護士会のホームページについてもさらにアクセスしやすくするため、逐次改善致しますので、ぜひ注目してください。

・ 中小企業向けサービス

―― 弁護士は、紛争解決能力だけでなく、紛争を未然に防ぐ予防法務能力や経営戦略を支える戦略法務能力も有しています。現在、地域弁護士制度等、中小企業向けのサービスを行っていますが、さらに中小企業支援のためのセンター設置を検討しています。センターでは、企業を取り巻く諸課題(契約、トラブル対応、労務、コンプライアンス、事業再生、事業承継など)について、中小企業の期待に応えることができ、かつ、利用しやすい制度の設置を目指します。

・ 国際関連業務

―― 国際分野の相談も増えています。弁護士会としても、国際業務を取り扱う弁護士を増やし、「町弁の国際化」に向けた活動を更に拡充していきます。

・ 専門性の強化

―― 市民の皆様からは相談事項に関する専門性を強く求められております。弁護士会では、例えば相続問題につき、昨年10月から「相続専門相談」(名古屋法律相談センター・一宮法律相談センター)を始めましたが、今後も、専門分野に対する市民の皆様の期待に応えられるよう体制を構築していきます。

・ 人権擁護活動

―― 弁護士の使命は基本的人権の擁護と社会正義の実現にあります。

刑事司法問題、犯罪被害者への支援、消費者問題、子どもの権利等、人権擁護を図っていかなければならない場面が増えていますが、今まで以上に、積極的に取り組んでいきます。

● 憲法問題についてはどう考えていますか?

―― 3月に安全保障関連法が施行されましたが、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする私たちは、立憲主義に違反して成立した安全保障関連法を認めるわけにはまいりません。引き続き廃止・改正に向けた行動を継続していきます。

● 最後に読者に一言お願いします。

―― 憲法問題も含め、時代は大きく変わろうとしています。その中でも私は、自由・公正・平等・平和等の憲法の理念を重んじ、弁護士・弁護士会が市民の皆様に対し負っている社会的責務を全うし、その使命を果たす所存です。