中部経済新聞2015年4月掲載
川上明彦新会長に聞く

● 新会長としてのスローガンと基本的な抱負は何ですか。

―― 「弁護士の使命を果たすために打って出る!」がスローガンです。

弁護士会は、待ちの姿勢ではなくて、弁護士が汗を流して市民や企業に積極的に近づいて行こうということです。 弁護士と言えば「裁判沙汰」「怖そう」「費用が高そう」など、まだまだ固くて、縁遠いイメージかも知れません。しかし、弁護士会は、弁護士が市民の生活を守り、また、企業の「助っ人」としても身近な存在として実感して頂けるように「カンフル剤」を打ちたいと思います。

また、インターネットの普及等により、それを宣伝手段として、専門性に疑問符の付く者が「専門家」を名乗って市民や企業に近づいています。これは市民の利益になりません。これに対し、弁護士は、紛争を知っているからこそ、専門的知識を駆使して有効な予防策をアドバイスできます。この点の広報の強化も徹底したいと思います。

● 具体的には。その@

―― 遺言・相続です。高齢化社会が進んでいます。ご本人もご家族も安心して生活を送ることができるためのきめ細かな取組みを強化したいです。

● 具体的には。そのA

―― また、中小企業向けの「センター」の設立を強力に推進したいと思います。センターでは、企業を取り巻く諸課題(契約、トラブル対応、労務、コンプライアンス、事業再生、事業承継など)について、企業の期待に応え得る弁護士を紹介したいと考えます。

● 大きな目標ですね

―― 遺言・相続、企業法務のいずれの分野についても、ネットワークの構築に努めたいと思います。弁護士会としても、現在行っている専門的研修をさらに充実させて、より良いアドバイスができる弁護士を増やしていきたいと考えます。

● 「憲法」問題を巡っては、どのように考えていますか。

―― 弁護士には、市民の「人権」を守る絶対的な使命があります。戦争は、人権侵害の最たるものであり、人類に最大の悲しみをもたらすものです。日本国憲法は、歴史の反省に立った平和への希求の賜です。弁護士会は、私たちの使命から、戦争に接近する集団的自衛権の行使容認やこれに通じる憲法改正には反対していきたいと考えます。

● 最後に読者に一言お願いします。

―― 弁護士会から市民や企業の皆様に対し、役に立つ情報発信をもっと行い、皆さんの期待に応えられる弁護士会を目指して頑張ります。どうかよろしくお願いします。