中部経済新聞2014年08月掲載
平和と戦争について考えてみませんか?
〜戦争と平和の資料館「ピースあいち」〜

今年もまた、広島・長崎の原爆の日、そして終戦の日を迎えました。毎年八月になると、平和の尊さをあらためて感じます。今月は、そのような平和の尊さや戦争の無惨さを学ぶことのできる施設「戦争と平和の資料館 ピースあいち」をご紹介します。

「ピースあいち」は、平成十九年五月にNPO平和のための戦争メモリアルセンター設立準備会により名古屋市名東区に建設・開館され、以来、同NPOが運営している資料館です。

この資料館には、戦争と平和に関する様々な資料が展示されています。一階には、第二次世界大戦終了後も続く世界の戦争と平和の歴史に関する年表や写真などが展示されているほか、関連する書籍が置かれています。二階には、愛知県が空襲に襲われた際の様子がわかる写真、爆弾片や防空頭巾などの物品、戦時下に書かれた手紙、当時の悲惨さを伝える体験談、戦時下の暮らしのわかる物品などが展示されており、戦争の悲惨さを伝える映像も放映されています。

このほか、定期的に企画展も開催されており、7月22日から8月31日までの間は、「戦争と若者 断ち切られた命と希望」と題して、若くして戦争で命を失った七十年前の若者たちが残した遺品等の数々が展示されています。

「ピースあいち」の館長であり同NPOの理事でもある愛知県弁護士会の野間美喜子弁護士にお話を伺いました。「最近、若い人が、戦争や平和というものに関心を持っていない、考えようとしないということがとても気がかりです。特に、戦争というものが身近になりかねない最近の流れの中で、『自分たちには関係がない』と思っていてほしくありません。先の戦争のことを知っている世代は確実に減っていきます。そのため、戦争や平和について後世に伝えていこうとの願いから、ピースあいちでは、常設展のほか、語り手をお呼びしてお話を伺う会や朗読会、日本全国から遺品をお借りして展示会などを企画しています。こういう企画を通して、少しでも多くの若い人たちに、戦争や平和というものを肌で感じてもらい、考えて欲しいと願っています。」

戦争や平和について考える機会はさほど多くありません。この夏休みにお子さんを誘って親子で平和について考えてみてはいかがでしょうか。

ピースあいち
名古屋市名東区よもぎ台2ー820
TEL(052)602−4222