中部経済新聞2014年05月掲載
社外監査役「監督機能を強化、弁護士の活用もご検討を

 【質問】 社外監査役って何ですか?弁護士等を社外監査役にすると良いと聞きましたがどうしてですか?

【回答】

会社法では、社外監査役を「株式会社の監査役であって、過去に当該株式会社、またはその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。」と規定しています。要するに、過去にその会社またはその子会社について、業務執行に携わったり、あるいは会計参与になったりしていない人が、株主総会で監査役として選任されれば、その人は社外監査役ということになります(ただし、今後、会社法改正により要件が変更になる見通しです)。

監査役は、株式会社において、取締役の業務執行を監査する機能を担っており、例えば取締役会に出席するなどして取締役が経営判断の原則に従った意思決定をしているか監査したりします。また、取締役に法令や定款に反するような違法行為があるときは、場合によっては差止請求をする権能も有します。そのため、監査役は会社との関係で強い独立性が求められます。

しかし、監査役も社内の人間から選ばれることが多く、取締役との間で馴れ合いが生じてしまいその監査機能を十分に発揮できないおそれがあります。

そこで、監査役に社外の人を起用して、監査役の監督機能を強化しようとしたのです。特に弁護士は法律専門家であり、取締役の業務執行監査能力に長け、独立性が強いため、社外監査役として適しているといわれています。

公開会社である大会社は、監査役会を置くか、委員会設置会社としなければなりませんが、ここで監査役会を置くことを選択した場合には、監査役3人以上で、そのうち半数以上は社外監査役でなければならないとされています。

経営者に対して適正な内部統制管理のための体制を構築することが義務付けられている大会社の場合はもちろんのこと、大会社でない場合でも、社外監査役を設置することは、会社の監査機能強化に役立ちます。社外監査役に弁護士をご活用いただくこともあわせ、ご検討いただければと思います。