中部経済新聞2013年4月掲載 
愛知県弁護士会 安井信久新会長に聞く
*新会長としての基本的な抱負は何ですか。
―弁護士はプロフェッションとして、常にその役割に公益性・公共性が求められています。弁護士の使命が基本的人権の擁護と社会正義の実現にあることを自覚し、公共奉仕性を第一義とする弁護士会の活動に取り組みたいと考えています。
*我々市民との関係では、どのようなことをお考えですか。
―栄にある法律相談センターが7月には名古屋駅近くに移転します。敷居が高いと言われる弁護士へのアクセスを改善し、より市民の皆さんの需要に応えようとするものです。法律事務を独占する弁護士だからこそ、誰でも、何時でも気軽に法律相談を受けられる体制づくりが、弁護士会に求められているとの考えです。
*法律相談については、分野別の相談が充実していますね。
―市民の皆さんにとっては、相談する際に、担当弁護士がその分野の専門であることはとても気がかりなことのようですので、一定の研修を経た弁護士による「専門分野相談」を充実したいと考えます。
*ただ個々の弁護士が「専門」分野をアピールすることは禁止のようですね。
―「専門」であることを、誰がどのように判定するかはとても難しいことです。自由に専門表示を認めると、却って市民の皆さんにご迷惑をお掛けする結果を生みかねません。
*また、法律相談センターの認知度は高くないと聞いていますが。
―昨年度は名鉄と地下鉄に車内広告を出しましたが、まだ広く認知されたとは言えないようです。どのように広告すれば更に広く認知していただけるかを検討したいと思います。
*弁護士に相談する意味はどこにあるのでしょうか。
―弁護士が提供するサービスは、高度で信頼できる専門性を有しています。この強みを活かしたいですね。
*法律相談センター 以外にも弁護士へのアクセス改善を考えておられますか。
―この秋には一宮市の裁判所の隣に弁護士会一宮支部会館が完成します。尾張地区の方に限らず、広く利用していただきたいです。
*最後に読者に一言お願いします。
―私たちは、自由・平等・平和を重んじ、これらが普遍原理であると理解し認識して困難な人権侵害にも立ち向かってきました。弁護士の持つ自由な気風と人権擁護をこよなく愛する姿勢、そして社会正義を尊ぶ力強さによって社会に貢献すべきと確信しています。これからも弁護士会をご支援いただきたくお 願いします。