中部経済新聞2011年1月掲載
【ちょっとお得】
HPで、他人が作った記事やイラストを利用できる?

 【質問】 会社のホームページに他人が作った記事やイラストを載せたいのですが、こうした行為は著作権の侵害にあたりますか。

【回答】 他人が作成した記事やイラストなどを、無断でホームページに掲載することは、原則として著作権の侵害になります。記事やイラストが著作物にあたる場合、それを創作した人は、「著作者」として、その著作物を複製したり、インターネット上にアップロードしたりする権利を独占します。従って、その著作物を無断でコピーしてホームページに掲載することは、著作者の著作権を侵害する行為になるのです。
  なお、一般の方が趣味で作った記事やイラストを無断で掲載した場合にも、著作権の侵害になります。
  他方、法律上、例外的に著作物の利用が許容されている場合もあります。
例えば、事前に著作権者の許諾を得ることが考えられます。必要性に応じて、著作権自体譲り受けるということも有効でしょう。
 次に、公表された著作物については、引用による利用が可能です。ただし、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、引用の目的上正当な範囲でなければなりません。
どのような引用をすれば、「公正な慣行に合致する」、「引用の目的上正当な範囲」といえるかについては、様々な事情が考慮されるため、一概には言えませんが、少なくとも引用される著作物と引用する著作物が明確に区別されていることや、あくまで引用する著作物が主体になっていることが必要とされることが多いようです。
 また、一定の保護期間を経過した著作物であれば、著作権侵害にはなりません。
なお、著作権を侵害すると、民事的に使用の差止めや損害賠償の問題が生じるばかりでなく、懲役や罰金などの刑事処罰の対象になることもあります。