小川宏嗣会長 就任ご挨拶



1,弁護士になられた動機をお尋ねします。
 動機といっても取り立てて述べることはありません。高校3年の夏までは医学部志向でした。しかし,性格的に,血を見るのも,病院のクレゾールの臭いも嫌いでしたので,秋になって急遽文転しました。名古屋大学の法学部に入学したものの,法律の勉強は無味乾燥でおもしろくありませんでした。最初は就職するつもりでしたが,4年生の4月になって,就職をとり止め,司法試験にトライすることを決意しました。2年間死にものぐるいで勉強しました。2年後幸運にも司法試験に合格しました。

2,経歴についてお尋ねします。
 名古屋大学法学部大学院の修士課程に進んだ1年目に司法試験に合格しました。司法修習は1年遅らせて,修士課程を修了した後,司法研修所に入所しました。修士論文「会社の分割」を書いて,修士課程を修了したことが縁で,大学での非常勤講師を長年にわたり務めたり,名古屋大学の客員教授や司法試験の考査委員を務めることになりました。これらの評価もあってか,愛知県の公害審査会の委員や地方労働委員会の公益委員も務めました。

3,弁護士生活を振り返っての感想をお聞かせ下さい。
 依頼を受けた事件を1つずつ丁寧に,それぞれの紛争に応じた解決を求めて頑張ってきました。その多くは思った通りに解決できたと自負しております。依頼者から感謝されるとき,弁護士としての充実感や満足感を味わいますが,よき時代に弁護士業に従事できたことは本当に幸せです。

4,会長としての抱負についてお尋ねします。
 司法改革で愛知県にも5つの法科大学院ができました。近い将来には弁護士は倍増します。弁護士は極めて身近な存在になりますが,弁護士にも競争原理が働くようになります。弁護士会では,増加する弁護士全員が高い倫理感と高い能力を保持しながら,如何に市民に身近で,使い勝手のよい司法を提供するかという永遠の課題に,積極的に取り組んでいきます。そのキーワードは司法アクセスの充実と弁護士業務改革とそのための研修です。

5,市民の皆さんに向けての一言をお聞かせ下さい。
 司法改革は,戦後60年近くの政治,行政,司法の行き詰まりを司法が率先して改革を図るものです。司法改革は「市民による」「市民のため」の司法を目指しております。最近よく耳にされる裁判員制度も市民の皆さんが主役です。裁判員制度は皆さんが裁かれる立場から,裁く立場に立つのです。裁判は皆さんにとって身近なものになります。弁護士会としては,皆さんに法教育の提供を積極的に進めてまいります。市民の皆さん,司法に関心を持って,司法改革に積極的に参加してください。

6,最後に趣味についてお聞かせ下さい。
 趣味はテニスとスキーです。両方ともゴルフのハンデイに直せば,15ぐらいでしょうか。ゴルフは付き合い程度です。その他に健康管理のため,1週間に2回ほど,水泳をしております。1000メートルを25分ぐらいかけて一気にクロールで泳いでいます。