本件は、本年3月、匿名による情報提供がなされたのを契機に当会において調査した結果、弁護士法違反の疑いが濃厚となったため、名古屋地方検察庁に対して告発したことに端を発したものである。
一般に、賃貸借契約終了後、原状回復費用や敷金・保証金の返還等をめぐっては、賃貸人と賃借人の利害が対立し、見解の相違を生ずる事案は多数発生している。かかる事案において、賃貸人側の請求内容に異論を述べ、賃借人の負担を軽減するために交渉事務を行うなど、法律事務の処理を有償で請け負うことは、弁護士その他法律上認められた資格を有する者でなければ取り扱うことが許されていない(弁護士法72条)。
このような弁護士等の資格を有しない者による法律事務処理を放置すれば、それらの者による粗雑又は不穏当な案件処理、さらには報酬請求によって、紛争の当事者である市民に不利益を及ぼす恐れがあるだけではなく、司法制度そのものに対する社会的信用を著しく害する危険があるものと言わざるを得ない。
よって、当会は、弁護士法に違反する行為に対して、今後とも厳正に対処していく所存である。
2011(平成23)年12月21日
愛知県弁護士会 会長 中村正典
