全面的国選付添人制度の実現を求める会長声明
 当会は政府に対し、現行の国選付添人選任制度を拡充し、その対象事件を、観護措置決定により身体を拘束されたすべての少年保護事件にまで拡大するよう、速やかに少年法を改正することを求めます。
                        記
 弁護士付添人は、少年審判手続において、非行事実の認定や保護処分の必要性の判断が適正に行われるよう、少年側の立場から手続に関与し、事案に応じて、非行事実を争い、または少年の内省を促したり少年を取り巻く環境の整備を行うなどして少年の立ち直りを支援する活動を行っています。
 しかし、現行の少年法第22条の3で規定されている国選付添人選任制度は、その対象事件が、検察官関与事件や、殺人等ごく一部の重大事件に限られており、少年に対する法的援助は、成人に比べて極めて不十分な状況にあります。
 日弁連は、時限的な措置として、全会員の特別会費に基づく特別基金による少年事件付添人援助制度を設け、国選付添人の対象とならない事件についても、広く弁護士付添人を選任できるよう努めていますが、少年事件における弁護士付添人の選任率は、少年鑑別所において身体を拘束されている事件の約40%(2008年)にすぎません。
 昨年5月21日に、取調中の被疑者に対する国選弁護制度の対象事件が、必要的弁護事件にまで拡大されましたが、国選付添人の対象事件は拡大されませんでした。この結果、被疑者段階の少年には国選弁護人が選任されても、その大半は家裁送致後に国選付添人の選任が受けられないという、著しく不合理な事態が発生しています。
 当会においても、このような現状に対応し、付添人援助制度を積極的に運用するとともに、2008年10月から「当番付添人制度」を実施し、少年審判段階における弁護士付添人の選任を確保し、かつ種々の研修を実施するなどして、付添人活動の質的・量的な向上を図っています。
 しかしながら、本来、弁護士付添人による適正手続の保障・環境の調整・更生の支援等の法的援助を行う制度の設置は、国の責務です。
 子どもの権利条約第37条は、「自由を奪われた全ての児童は、弁護人と接触する権利を有する」と規定しています。ことに少年鑑別所に収容された少年は、少年院や児童自立支援施設への送致等という重大な処分を受ける可能性も高く、専門的知識と経験を有する弁護士付添人による法的援助の必要性が大きいのです。
 前記のような弁護士付添人による援助の重要性に鑑みれば、すみやかに、国選付添人制度の対象事件を観護措置決定により身体を拘束されたすべての少年保護事件とすべきであると考えます。
 よって、上記のとおり、速やかな少年法改正を求めます。

2010年(平成22年)4月21日

愛知県弁護士会 会長  齋 藤   勉