「海外商品先物取引」に手を出さないで

 

 最近,海外商品先物取引や海外商品先物オプション取引による被害が増えてきています。以前被害を多発させていた悪徳外国為替証拠金取引業者などが,改正金融先物取引法の施行(平成17年7月)によって規制が厳しくなったため,海外商品先物等に流れてきたのだともいわれています。
 被害事例では,「ニューヨークの金を買えば儲かります」,「銀行に預けておくよりも有利です」,「安全確実な投資です」などと断定的なことを言われて勧誘された,取引の知識,経験がないのに大きな金額の取引を勧められた,勧誘が執拗・強引である,取引の仕組みやリスクの説明が不十分,やめさせてもらえない,清算金が支払われない,連絡が取れないなどのトラブルが報告されています。
 こうしたトラブルを未然に回避するため,海外商品先物取引については,「海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律」が定められており,業者は勧誘・受託等を行う場合には,書面交付義務や再勧誘の禁止等のルールに従う義務がありますが,この法律には,そもそも許可・登録制度等の参入規制がなく,業者の財務の健全性を要求する規制も存在しないなど,規制が不十分です。
 また,「海外商品先物オプション取引」にはそもそもこれを規制する法律すらありません。オプション取引については,“損は限定的,利益は無限大”などと,いかにもこの取引にはリスクが少ないかのような詐欺的な勧誘をして被害を多発させている業者もあり,野放し状態といって過言でありません。
 トラブルに巻き込まれないためには,ア.知識や経験のない方は絶対に手を出さないこと,イ.取引するつもりがないのなら,はっきり断ることをそれぞれ銘記することが肝要です。
 少額の資金で何十倍もの大きな取引ができるという点に期待と関心を寄せてしまい,取引経験のない方が手を出してしまいがちですが,多額の損失が発生しうるというリスクを決して忘れてはなりません。また,強引な勧誘がなされることもありますので,曖昧な対応をせず,毅然と断ることが不可欠です。
 愛知県弁護士会では,平成18年10月より,名古屋法律相談センターに投資被害専門の相談窓口を設けて相談に乗っておりますので,万一トラブルに遭ってしまったら,被害が拡大する前に,お早めに愛知県弁護士会の行っている投資被害相談へご相談下さい。
 なお,海外商品先物については,契約締結後14日以内は売買の注文を受けることが出来ないという熟慮期間が設けられていますので(店頭での注文は除きます),この期間内の注文は取り消すことができることを,併せて覚えておいてください(ただし,この熟慮期間の制度は,海外商品先物オプション取引にはありません)。



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